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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「神」》ニューヨークでみた「神対応」

 米国で3年余り生活をしていると、日本の友人との何気ない会話や、おいしい食事が恋しくなる。ただ、もっとも懐かしく、そして恋しく感じるのは、「神対応」ともいえる日本のサービスかもしれない。

 振り返ると、渡米してから間もなくはイライラしてばかりだった。インターネットの配線を頼むと、担当者は時間通りに来ない。遅れてやってきて土足のまま家の中に入ってくる。「靴のカバーをつけてほしい」と言うと「忘れた」と一言。タクシーに乗ったら、遠回りされることも多々あった。

 そして、がっかりさせられることが多いのは空港での対応だ。米国の国内線は遅延や欠航が日常茶飯事。便を変えようと、米系の大手航空会社の窓口に行くと、お菓子を食べながら同僚とのおしゃべりに夢中で待たされる。対応が遅い上にチケットを投げるように渡されたときは、怒りを沈めるのに時間がかかった。

 不備を指摘したり、文句を言ったりしても、絶対に「アイム・ソーリー」と言わないのが大半の米国人。毎日のように起きる小さな問題のたびに、謝らない米国人VS米国人に「アイム・ソーリー」と言わせたい私の静かな闘いが、繰り広げられてきたわけである。

 ただ1年がたち、2年がたち、損をしているのは自分ばかりと気付いてきた。怒っても、大半のケースは前進しない。謝罪文化がしみつき、すぐにイライラしてしまう自分のほうが変だという風にも感じてきた。まだ完全に米国流にはなじめていないが、期待しないことを心がけると、気持ちは随分楽になってくる。

 先日は通っているジムに大切に使っていた日本製の化粧水と乳液を忘れてしまった。乾燥が激しいニューヨークの冬には必需品だ。そのまま出張が入り、1週間後に再びジムに。「どうせ、なくなっているだろう…」とあきらめていたが、掃除担当の女性が保管してくれていた。意外な結果に飛び上がるほどうれしくなり、思わずハグしてお礼を言った。

 クリスマスチップが近づく今日この頃、アパートのドアマンの笑顔が増え、対応が優しくなった。ささやかな「神対応」にも素直にうれしく感じるようになったのは、成長の証? といえるだろうか。          

 ニューヨークの町のこと、米社会のこと何でも取材中。(M)

 【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。11月のお題は「神」です。