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【喫煙を考える】新しい受動喫煙対策 「屋外喫煙」の自由度上げるべき 窪田順生氏インタビュー

 飲食店を原則屋内禁煙にするなど受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が来年4月に全面施行される。たばこを取り巻く環境がますます厳しくなる中、使途目的が決まっていないたばこ税の一部を屋外喫煙所の設置に充てる案が自民党内から挙がっている。「屋内の分煙が難しいなら、外に目を向ければいい」という考えだ。

 「ようやく日本の受動喫煙防止対策も世界に追いついてきました」。そう話すのは海外の喫煙事情に詳しいノンフィクションライターの窪田順生氏。「欧米などの先進国はもちろん、喫煙大国の中国やロシアも飲食店へ行けば今やどこも全面禁煙。でも誰も文句を言いません。外へ出ればどこでも自由に吸えるんですから」

 日本の受動喫煙防止対策がこれまでなかなかスムーズに進んで来なかったのは、たばこのポイ捨てや歩きたばこをなくすために、まず“路上喫煙”から取り締まったことだと窪田氏は指摘する。

 「外で吸えなくした後で、今度は屋内も吸えなくするといわれても簡単には賛同できません。規制する順番が逆なんですよ」

 それが日本の受動喫煙対策を遅らせた大きな要因の一つであることは、窪田氏が取材した多くの政治家も認めているところだという。

 「屋内での喫煙が吸わない人の迷惑になるのは誰もが承知していること。最近は屋内の分煙設備も進化しているが、これで受動喫煙対策が完璧というわけではない。それなら、飲食店への喫煙専用室の設置を認めるといった中途半端なことはせず、屋内はどこもかしこもすっぱり全面禁煙にしてしまい、その代わり屋外での喫煙の自由度をもっと上げればいい。しかし日本人は気づかいの国民だから、たとえ屋外でもしっかり分煙対策をする。それこそ他国にはまねできない、日本ならではの取り組み方だと思う」というのが、窪田氏が喫煙場所の新設や増設に賛同する理由だ。

 もちろん費用やスペース、維持・管理などの問題はある。しかしホスピタリティーにたけた日本なら何とでもなるはずと窪田氏は期待を寄せる。

 ■窪田順生(くぼた・まさき)テレビ情報番組制作、新聞・雑誌記者、編集者などを経てノンフィクションライター。『14階段--検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞。