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【編集局から】「人がする作業に『絶対』はない」業務に慣れていても思わぬ落とし穴が

 一瞬のミスが大事につながったようです。名古屋市中村区のスイミングスクールで先月29日、「塩素タンクに違う薬剤を入れたらガスが発生した」と119番がありました。愛知県警によると、子供6人ほどが気分が悪いと訴えていたといいます。この事故の詳細はまだわかりませんが、以前私は横浜市内で似たような事故を取材したことがあります。

 2017年5月、横浜市内の食品加工会社で、塩素ガスが発生。従業員の男女計16人がのどの痛みなどを訴え、病院へ搬送される事態となりました。原因は、工場で使用する消毒液の調合を担当していた従業員のミスだと後に判明。しかし、この従業員は約2年4カ月にわたり調合を担当していて、調合する薬品のタンクにはラベルも記載されていました。経験豊富な人材と、ミスを防止する仕組みがあっても、事故は防げなかったというわけです。

 同社では事故後、調合担当者が毎日2人現場にいるように変更し、「確認役」として別部門の従業員も同行させる対策を取りました。幸い、今のところ再発防止策はうまく機能しているようですが「人がする作業だから『絶対』はない」という担当者の言葉が印象に残っています。

 どれほど業務に慣れていても、思わぬ落とし穴が潜んでいるかもしれません。(R)