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神戸山口組幹部が自動小銃で殺された 周辺住民を襲う戦慄 (1/2ページ)

 ヤクザの抗争事件は、常に現場付近で怖いもの見たさの野次馬的関心を惹きつける。4年以上にわたる山口組分裂抗争でも、これまではそうだった。だが、今回は違う。その恐怖が、自分の間近に迫ったら、市民は息を潜めるほかない。この抗争は、ついにその危険水域を越えてしまった。フリーライターの鈴木智彦氏が現場の様子をリポートする。

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 11月27日午後5時過ぎ、兵庫県尼崎市の商店街に自動小銃の銃声が鳴り響いた。戦争さながらにアサルトライフルの掃射を浴び、冷たいアスファルトに昏倒したのは、神戸山口組幹部で、三代目古川組の古川恵一総裁(享年59)だった。

 「犯行に使用されたのは米兵等が使う軍用自動小銃だった。顔や腹などを撃たれ、現場には十数発の薬莢があった。ほぼ即死だったでしょう。現場で目撃者のインタビューが撮れたのですが、『(暴力団の報復が)怖いので映像や音声は使わないでくれ』とお願いされお蔵入りになってしまった。住民は本当に怯えていた」(地元テレビ局社会部記者)

 通行人が巻き添えになる可能性は十分にあった。惨劇の現場になったのは、商店街のただ中、古川総裁の親族が経営する焼き肉店の前だったからだ。当日深夜、現場を訪れると、一帯がブルーシートで覆われ、店に面する全ての道路に規制線が張られていた。

 この焼き肉店は阪神尼崎駅から500メートルほどの距離で、出屋敷駅に続くアーケードの一本南側にある。飲食店の口コミサイトに店名は掲載されているが口コミ・評価は一切なく、地元では隣接する居酒屋とともに「ヤクザの関係店」として有名だった。近くの飲食店に勤務する20代女性も、家族から気をつけるよう再三いわれていたという。

 「『あの店には行ってはいけない』と注意されていたけど、こんな事件になるとは想像してなかった」

 地元では有名な“ワケあり店”とはいえ、商店街には多くの飲食店や商店がある。銃撃事件が発生した時間帯は、買い物客でごった返しており、銃声を耳にした住民も多数いた。

 近隣に住む30代男性は「すごい音がしたんだけど、交通事故かと思った」そうで、最初はまったく気にしなかったと証言する。

 「すぐ表が騒がしくなってね。まさかと思って行ったら人が倒れていた。110番か119番なんか分からず動揺したけど、正直、関わり合いになりたくない。写真を撮ろうとも思わなかった。ヤクザに見られたら大変なことになる」

 ◆警察官にも銃を構えた

 が、暴力団のネットワークではすぐさま遺体写真が流出した。血だまりの中で横たわる古川総裁はジーンズに濃い色のセーターらしいラフな格好で、焼き肉店が入居する白いタイルが貼られた雑居ビル前の路上に仰向けで倒れていた。ヒットマンは軽自動車に乗って現場を訪れ、店内で男性と談笑していた古川総裁を表に呼び出し、至近距離から自動小銃をぶっ放し、車で逃走した。

NEWSポストセブン

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