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中村哲医師殺害事件は計画的犯行か 識者「ISの残党である可能性も」

 アフガニスタン東部ナンガルハル州で福岡市の非政府組織(NGO)「ぺシャワール会」現地代表の中村哲さん(73)が殺害された事件で、男4人前後の武装集団が銃撃後、「誰も生きていないな」と全員の死亡を確認していたことが分かった。専門家は、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国(IS)」の残党が関与した可能性があると指摘する。

 武装集団は中村さんの車を待ち伏せしており、通行ルートを事前に確認した上で、強い殺意を持って襲撃した疑いが強まった。ロイター通信は事業に関して、中村さんが標的になっていた可能性があると報じた。

 襲撃犯について、「断定はできないが、ISの残党である可能性が考えられる」とみるのは、軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏。

 現地では米国・アフガン政府、イスラム原理主義勢力タリバン、ISを名乗る過激派勢力が三つどもえの内戦状態にあるという。

 「海外メディアによれば、米国とアフガン政府の共同作戦によって、ISを名乗る勢力は3000人から300人程度に減ったとされる。敗走しながらアフガンの政府機関や街頭で無差別テロを続けている残党にとって、中村さんらが政府側の人間として見えたのかもしれない」と黒井氏。

 タリバンは事件への関与を否定する声明を発表した。黒井氏は「中村さんの活動は現地でも認められており、手を出せば現地での支持を得にくくなることもある。ただ、タリバン指導部とは別の末端の人物による犯行も100%ないとは言い切れない」との見解を示した。

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