記事詳細

【日本の元気 山根一眞】一般の方にとっても興味惹かれる内容がぎっしり! 「理科年表」にぜひ「没頭」してほしい (1/2ページ)

 11月末、『理科年表』(国立天文台編、丸善出版刊)の2020版が発売された(机上版は税別2800円、A6判のポケット版は同1540円)。大正14(1925)年の第1冊から数えて93冊目。毎年、最新版を手にすると年の瀬が近いことを感じる。科学(理科系)に携わる人々には必須のデータブックではあるが、一般の方にとっても興味惹かれる内容がぎっしりでぜひ「没頭」してほしい。

 「年表」という表題から歴史年表のような内容かと思うが、文科系の歴史年表とは大きく異なる。内容は暦、天文、気象、物理/化学、地学、生物、環境の7部構成。たとえば「気温の最高および最低記録」を見ると全国82地点の最高・最低気温の過去から現在の記録がびっしり。旭川の最低気温は1902年1月25日にマイナス41・0度を記録したことがわかる(統計開始年1888年)。

 台風19号による被災復興が大きな課題だが、54年9月25-27日の洞爺丸台風では死者・行方不明者が1761人、その5年後の9月26-27日の伊勢湾台風では死者・行方不明者数が5098人にのぼっていたことにはがくぜんとする。

 「観測史上最大」を耳にすることが増えたが、『理科年表』で確かめれば過去からの観測データをたどり、何が「最大」かがよりよく理解でき、なぜそれほどの犠牲者が出たのかの社会的な背景へも関心が広がる。まさに理科の「年表」なのである。

 科学とは自然界のあらゆる現象や法則を不変不動の数字で表現することだけに、『理科年表』には驚きのデータが山盛りだ。動物の寿命記録では、226歳まで生きた最長寿のコイ(花子)、深海生物のハオリムシの250歳、さらにアイスランドガイという二枚貝は507歳とすごい生物がいることには目をむく。タラの産卵数は最大で900万個と知り、辛子明太の実態がこれだったのかと納得しつつ明太スパゲティを楽しみました。

関連ニュース