記事詳細

【日本の元気 山根一眞】ハードディスク情報漏洩問題 解決策は「力ずく」で処分すること (1/2ページ)

 行政文書が保存されたハードディスクドライブ(HDD)がヤフーオークション(ヤフオク)で販売されていたという、とんでもない事件が発覚した。HDDを落札した男性は、データ復元ソフトを使いデータの一部を復元、神奈川県の行政文書を記録したHDDと知り、県に問い合わせたのだという。

 パソコンに疎い人は「データの復元なんて可能なの?」と思うだろうが、簡単にできる。私自身、数種のデータ復元ソフトを持っている。それは、HDDはデータの読み取りができなくなるトラブルが少なくないからだ。データを誤消去した時にも復元ソフトにどれほど助けられたことか。

 ところで中古HDDの情報漏洩(ろうえい)問題は今に始まったことではない。私がその警鐘を鳴らしたのはおよそ20年前、2000年のことだ。秋葉原で買った数台のリース落ちパソコンに「復元ソフト」をかけたところ、某県庁の重要名簿、県庁内で発生したと思われる監禁詐欺事件の経緯を記した関係者の実名入り文書まで出てきてびっくり。このことを新聞の連載コラムに書いたところ大きな反響があり、HDDデータの漏洩危機に対する意識が一気に盛り上がったのだ(このコラムはその後、拙著『賢者のデジタル』に収載)。

 以降、中古パソコンやHDDの安全なデータ消去を請け負うビジネスが大きく注目されるようになったが、今回のHDDの流出元であるブロードリンク(榊彰一社長)も、その2000年が設立年なのだ。時代が求めていたビジネスを担ったからか、同社は06年に「ベンチャー企業増収率ランキング1位」となるなど成長を続けてきた。

 神奈川県のサーバーのHDDはデータを消去した上で、リース会社がブロードリンクに「破壊」処理を請け負わせたが、逮捕された元社員、高橋雄一容疑者はHDDを「破壊せず」、盗み出してはヤフオクなどで転売していた。転売したデジタル機器は7844台で、HDDやSSD(半導体素子による記録媒体)、USBメモリーなどデータが記録されていたものだけでも3904個にのぼったという。

関連ニュース