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【大前研一 大前研一のニュース時評】和牛の遺伝子が海外に流出 シャインマスカットも中韓に無断栽培され…農水省はこれまで何をしていたのか (1/2ページ)

 農林水産省は17日に有識者会議を開き、和牛の受精卵や精液などの遺伝資源が海外に流出することを防ぐため、不正な売買や譲渡、取得に対し、刑事罰を科すことを固めた。遺伝資源を「知的財産」とみなして、ルールに違反した転売などの取引や生産を差し止める規制も設ける方針で、来年の通常国会への関連法案の提出を目指す。

 和牛をめぐっては、昨年、受精卵などを不正に中国に持ち出そうとした事件も起き、対策を求める声が強まっていた。和牛の人気は海外でも高まっていて、現在、政府も輸出の重点品目と考えている。

 しかし、農水省には「アナタたちはこれまで何をしていたのか」と言いたくなってしまう。とっくの昔に和牛の精子や受精卵は海外に流出していて、手をこまねいている間に、和牛は世界で売られるようになった。いまさら遅いのではないか。

 オーストラリアのタスマニアに“和牛アイランド”と呼ばれる島がある。ここで黒毛和牛が大量に育てられ、日本にも逆輸入されている。日本のものとほとんど変わらぬ黒毛和種ですばらしい肉だ。

 オーストラリアに初めて品種としての和牛が持ち込まれたのは1990年代の初頭。和牛の精液と受精卵が持ち込まれたことで、当地で和牛の生産が可能となった。

 もうひとつ、オーストラリアのブリスベーン郊外のトゥーンバにある食肉処理場では、アンガス種の牛に6カ月くらい余分に穀物を与えて、霜降り肉を作っている。霜降りは脂が過多になって“大理石(マーブルド)”ビーフと呼ばれ、オーストラリアでは販売されていないが、これも日本向けに生産している。

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