記事詳細

【大前研一 大前研一のニュース時評】国が大学入試に関わる必要はない…余計なお世話だ! (1/2ページ)

 昨年暮れ、萩生田光一文部科学相は2021年1月から実施する予定だった大学入学共通テストの国語、数学の記述式問題の導入を見送った。採点ミスの懸念や自己採点の難しさなどが指摘され、受験生の不安を取り除けないと判断した。

 11月に導入見送りが決まった英語民間検定試験に続く方針転換で、安倍政権と文科省が推進する入試改革は、目玉としていた2本柱を失うこととなった。

 大臣になった途端に、2つの呼び物政策がパーになってしまい、萩生田さんは「貧乏くじを引いた」と思っているのではないか。ま、自らの「身の丈に合ったもの」発言がきっかけになったのだから、自業自得という面もあるが。

 あの人、いつも安倍晋三首相の後ろでお目付け役みたいな顔をしていて、いつか出世するのではないかと思ったが、この大学入試共通テストの対応を見る限り、何も知恵を出すことができず、少なくとも文科相程度の仕事は無理だと証明してしまった。

 今回、見送られた記述式問題や英語民間検定試験の再導入は、今後もできないと思う。何度も指摘されていることだが、50万人分の答案を短期間で採点するには、ものすごい労力が必要だ。採点業務を民間業者に委託して、「はい、OK」というわけにはいかない。

 大学入試センターの採点業務の委託を受けていたのは、ベネッセの関連会社。ベネッセホールディングスの安達保社長は、私と同様、マッキンゼー・アンド・カンパニーの出身。応援してあげたいが、世間知らずの受注を本気で取っていたのだとしたらこの件では応援できない。

 この入試改革は、第2次安倍政権発足直後に設置された「教育再生実行会議」で、民間の委員が「大学の英語入試は『聞く』『話す』『読む』『書く』の4つに割る」などと余計なことを言い出したのが始まり。この発想そのものがおかしい。

関連ニュース