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【高橋洋一 日本の解き方】日銀が今年も「動かない」理由 消費増税の対応は「政府頼み」 解散にらみ様子見決め込む (1/2ページ)

 日銀は2019年も追加金融緩和を行わなかった。景気の先行きが懸念されるなか、20年も動かないのか。何らかの手を打つ可能性はあるのだろうか。

 中央銀行の評価について、米連邦準備制度理事会(FRB)の二重の責務といわれる「雇用」と「物価」でみよう。

 物価について、総務省の消費者物価指数総合(除く生鮮食品)の対前年同月比でみると、昨年1~11月で0・3~0・9%だったが、年前半より後半のほうが伸び悩んでいる。他方、雇用について、総務省の失業率で見ると同年1~11月で2・2~2・5%だった。

 物価は、消費増税の影響もあって、インフレ目標に達していないが、かといってマイナスになってデフレという状態でもない。雇用では、失業率はほぼ下限という状況である。

 そもそも物価を微調整するのは難しいので、雇用状況に改善の余地がほぼないなかで、あえて金融緩和をしなかったのだろう。ただし、消費増税の影響については、金融政策からの対策があってもよかった。

 景気対策では、国会での論戦もなく、政府だけで補正予算を閣議決定し、1月の通常国会への提出が決まっている。日銀としては、消費増税への対応は、政府の問題だとして委ねたのだろう。

 もっとも、16年9月に日銀がイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)に移行してから、金融緩和の圧力は決定的に弱まった。14年4月に消費税率を8%に引き上げたことによる景気低迷から予想インフレ率は下降気味であったが、イールドカーブ・コントロールでそれを引き上げるのではなく、下降傾向を追認する形になった。

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