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【日本の元気 山根一眞】小惑星探査機『はやぶさ2』から信号の初受信に成功したのはGREAT「美笹アンテナ」 (1/2ページ)

 「2019年12月16日の明け方、小惑星探査機『はやぶさ2』からの信号の初受信に成功した」という待ちに待っていた朗報が届いた。

 はやぶさ2は11月13日に、地球に向けて小惑星「リュウグウ」を出発している。当然、地球と頻繁な通信を続けているので「どういうこと?」と思われるだろう。実は、「信号の初受信に成功」したのは、建設中の新しい通信用のパラボラアンテナ、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の「美笹深宇宙探査用地上局」(略称・GREAT、長野県佐久市前山字立科)の話なのだ。

 地球からおよそ3億キロというかなたの探査機から届く超微弱電波を受信するアンテナは、JAXA・宇宙科学研究所の山本善一教授によれば「携帯電話の1000万倍という高感度が必要」だ。その通信を担ってきたのが長野県佐久市上小田切大曲にある臼田宇宙空間観測所の直径64メートルという超巨大パラボラアンテナだ。

 だが、運用開始から35年、設計寿命を超え補修部品の入手も困難になっていた。そこで新たに、GREATの建設が進められてきたのである。場所は蓼科スカイラインの道路際なので蓼科観光の途上に見ることができる好立地。ぜひ一度訪ねてほしい(5月末まで積雪のため通行止めとなるので要注意)。

 GREATは直径54メートルと少し小さいが、最新技術により臼田のアンテナと同等以上の受信能力を実現。送受信周波数帯は臼田アンテナと同じだが、12月16日、その8ギガヘルツ帯の受信に成功。さらに32ギガヘルツ帯という、より高い周波数の信号の受信能力も備えている。電波は周波数が高くなるほど送受信データ量が増やせるため、はやぶさ2の来年末の地球帰還まで大きな使命を果たしてくれるはずだ。近日中に全周波数帯での送受信確認の後、21年4月から本格稼働の予定だ。

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