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【国防最前線】装備品の老朽化進み…防衛費そのものを増やすことが必要 自衛隊の「本質」を知ってほしい (1/2ページ)

 「予測できない難しさがあるんですよね…」

 これは国内装備品関連企業の偽らざる言葉である。近年、「防衛費が増えている」というので、さぞかし仕事が増えているだろうというのは素人考えだ。前回の連載で指摘したように、防衛費の「一般物件費」は、米軍駐留や基地対策という自治体などに使われる経費の割合がかなり多いうえに、米国からの購入が多大なウエートを占めるようになり、国内企業に落ちる部分は減るばかりだ。

 もちろん、日本の会社に予算を使うことが目的ではないが、自衛官が必要なものを我慢しているということである。そこで、不足を補っているのが補正予算だ。令和元(2019)年度補正の防衛関連は約4200億円が計上された。河野太郎防衛相も言及しているように、災害派遣に従事する隊員の活動に資する物品などが購入されたことは妥当だろう。

 ただ、昨今は本予算で不足している分を、補正予算で計上する場合が多い。「ゼロよりはいい」のはもちろんだが、製造業としては急な要請となり、納期もあるため人員や設備のやりくりに追われることになる。しかも翌年から同じように仕事があるわけではない。

 そもそも、補正予算は毎年のように大規模災害に襲われていることに起因しており、防衛費の不足を災害の発生で補っているともいえる、皮肉な現実だ。防衛費そのものを増やすことは、やはりどうしても必要なことなのだ。

 よく装備品を「買う」ことが話題になるが、それよりも現場で重要なのは整備や修理だ。民生品とは違い、過酷な環境で使用する防衛装備品は頻繁に破損する。それを速やかに修理する能力こそが精強性であり、単に高額な装備を持っているだけではダメなのだ。

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