記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】「健全財政」にこだわる不健全 財務省に飼い慣らされている「諮問会議」は専門家の仕事をせよ (1/2ページ)

 内閣府が経済財政諮問会議で、国と地方の基礎的財政収支が2025年度に3・6兆円程度の赤字になるという中期財政試算を示した。消費税率を引き上げても財政の悪化が続き、目標とする25年度の黒字化は遠のいたと報じられている。

 最近の指標は軒並み悪化しており、結局昨年10~12月の日本経済はかなり悪かったという結果となった。一応、補正予算を打ったが、東京五輪・パラリンピック後の秋口にも再び景気対策の必要性が出てくるのではないか。そのときに、財務省の「緊縮病」が気になるところだが、これは中期財政試算にも垣間見える。

 政府は国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)を25年度に黒字転換する目標を掲げるが、実現はさらに厳しくなったと強調する。試算の成長実現ケースで、25年度のPBは3・6兆円の赤字。昨年7月時点の試算(2・3兆円の赤字)より悪化したとし、麻生太郎財務相も17日の閣議後の記者会見で「歳出改革の取り組みをさらに進めなければならない」と語った。

 なぜ、PBを目標としているかといえば、PBの動きが、ネット債務残高対国内総生産(GDP)比の動きを規定するからだ。ネット債務残高対GDPがどんどん大きくなれば(数学的な表現では「発散」すれば)、財政破綻とも言えるような状況になるわけで、そのためにPBを管理しなければいけない。

 試算では、成長率の高い「成長実現ケース」と成長率の低い「ベースラインケース」がある。PB対GDPは、成長実現ケースで25年度均衡化は無理だが、27年度均衡化するくらいに改善するが、ベースラインケースでは、1・3%程度の赤字を続ける。その結果、グロス債務残高対GDPは成長実現ケースで低下傾向になるが、ベースラインケースでは高止まりするとされている。

関連ニュース