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【大前研一 大前研一のニュース時評】主要都市で深刻化する「空き家」 法整備で有効活用を (1/2ページ)

 日経新聞がまとめた統計によると、全国の市区町村で最も空き家が多いのは、東京都世田谷区の約4万9000戸だった。2位は同大田区、3位は鹿児島市、4位は大阪府東大阪市で、東京23区や県庁所在地市が上位に並んだ。この順位、分母の取り方によって違ってくる。市(政令市)単位でみると、大阪市が28万戸でトップ。横浜、名古屋などが続く。

 どちらにしろ、主要都市ほど深刻化して、戸建てや小さな集合住宅が集まり、65歳以上の人口の多い地域で空き家が目立つという。

 日本の空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)は全国平均で約14%にも上る。7~8軒に1軒が空き家という状況だ。今後、人口も減って、空き家はさらに増えるだろう。

 英国やフランスでは200年前の古い家を購入してリフォームし、何年か住んだ後、また別の中古住宅に移転してリフォームする。日本にはそういう風習がない。いつか空き家になって朽ち果ててしまうのだ。

 この空き家問題は、法律をかえなければどうしようもない。昨年、全国で増えている所有者不明の土地対策として、登記官に所有者を特定するための調査権限を与えるほか、調べてわからない場合は、裁判所が選任した管理者が土地を売却できるようにする新法が成立した。しかし、この新法で解決できる所有者不明の土地はごく一部、1%といわれる。

 現在、所有者不明の土地の合計は九州の面積を上回る。2040年には北海道の面積に匹敵するといわれる。これらの未利用資産を活用して、新たなビジネスシステムを生み出さないと、大きな経済的損失になる。

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