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【吉田茂という反省】危ない地域は他国に任せ… 戦後日本を歪ませた「憲法9条」の解釈 (1/2ページ)

 憲法改正をしても、戦後の首相で、「敗戦利得者の親玉」といえる吉田茂の反省がなければ何も変わらない。

 私は昨年、近現代研究家の阿羅健一氏との対談本『吉田茂という反省』(自由社)を出版した。時は今、安倍晋三首相が憲法改正を必死に呼びかけているが、改正の動きは遅々として進まない。

 戦後75年になろうとしている現時点まで、憲法についてはいろいろ論じられてきた。だが、吉田との関係で論じられてきたことはほとんどなかった。

 本書は、占領期およびその直後に、吉田が犯した過ちを清算して、憲法改正論議を促進させることを願った1冊でもある。

 吉田は晩年に当たる昭和39(1964)年の時点で、再軍備をしなかったことについて、「深く反省をしている」と側近に語ったとされる。もし、今も生きていれば、自分の行った失政、愚政の影響の甚大さに驚いただろう。そして、いまなお憲法改正をなしていない日本国民に大いに嘆くであろう。

 吉田は、憲法改正ができる状況だったのに改正しなかった。さらに、自分の創設した内閣法制局を使って、現行憲法を占領軍の押し付けたものより悪く解釈し、悪く運用した。

 占領軍の認めた憲法9条の解釈は「自衛のためには戦力も交戦権も保持できる」というものであった。そのことを十分に知りながら、「日本は戦力と交戦権を自衛のためにも保持していない」という解釈を強行し、結果として、戦後の日本を今日に至るまで大混乱に陥れている。

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