記事詳細

【長谷川幸洋「ニュースの核心」】新型肺炎が招く中国“共産党体制”の崩壊… 情報隠蔽、官僚的対応に募る「不信感」 (1/2ページ)

 中国で発生した新型肺炎が猛威を奮っている。これは中国と世界の経済を揺るがすだけでなく、中国の政治指導部に大打撃になるだろう。

 1986年に起きたチェルノブイリ原発事故が旧ソ連崩壊の引き金を引いたように、私は、新型肺炎の流行が中国共産党体制崩壊の導火線になる可能性がある、とみる。

 共産党ならではの情報隠蔽と官僚的対応こそが、感染の蔓延(まんえん)を招いてしまった。命の危機に直面した中国の人々が今後、共産党に怒りを募らせるのは避けられない。

 それどころか、この機に乗じて、反政府勢力による病原菌の意図的なバラマキ、すなわち「バイオテロ」が起きる可能性すらあるのではないか。治安当局がそれを心配していないとしたら、よほどの間抜けだ。政治指導部が、北京を含めて「長距離の移動禁止」という非常手段に出た理由の1つは、それだろう。

 発生源になった武漢市が当初、情報を隠蔽したのは確実である。異例にも、中国のメディアが「医師たちに箝口(かんこう)令を敷いていた」と報じた。25日付の読売新聞によれば、病院は「許可を得ずに、公共の場で感染状況を語ったり、メディアの取材を受けてはならない」と医師たちに指示していた、という。

 だが、新型肺炎の噂はSNSなどを通じて広まっていった。当局はその後、感染者や死者数の公表を始めたが「実際は少なくとも10倍」(米紙)とみられている。病院に収容しきれず、追い返された患者が続出しているのだから、当局の話を信じる中国人は1人もいないだろう。

関連ニュース