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【吉田茂という反省】“幼稚な解釈”に席巻されていた日本 現行憲法は「国家と宗教の友好的分離」の政教分離だ (1/2ページ)

 東京大学法学部の憲法学が、憲法学として成り立っていないことは、政教分離に関する解説を見てもよく分かる。

 現行憲法は第20条の第1項と第2項で、次のように規定している。

 (1)信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

 (2)何人も宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

 いかにも厳しく規定しているが、この規定は自由主義近代国家の「国家と宗教の友好的分離」を前提にしたものである。信仰の自由を強調しているが、かつての社会主義国のように、国家が宗教と絶縁することを唆しているわけではない。

 英国の例を見るといい。英国には英国国教会という国教がある。王室はその国教を主宰している。しかし、英国国民には自由に自己の好む宗教を信仰する自由を与え、問題はなくなっている。日本の天皇陛下が神道に基づく宮中祭祀(さいし)を行い、国民が信仰の自由を持っているのと同じだ。

 戦前の日本の政教分離の考え方はおおむね、神道は宗教ではないとして、ときおり神社への参拝を強制したりするようなことがあった。現行憲法はこれを反省し、個人が神道を宗教としてみる自由を与えたところに違いがあるだけである。

 従って、一般の宗教でも、祭祀は一宗派宗教の閉じられた儀礼ではなく社会に開かれた場合、その公共性が尊重される。また、文化遺産尊重の観点から、特定宗教団体の所有する財であっても、文化的価値があれば保存のために公的補助を与えることがあってもいいのである。

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