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【緊迫する世界】習近平体制を脅かす「新型肺炎」に高笑いするトランプ大統領 気になる安倍首相の危機意識の薄さ (2/2ページ)

 こうしたなか、米国政府は1月30日、中国全土への渡航勧告について、4段階のうち最高の「渡航中止・退避勧告」に引き上げた。翌31日には、新型肺炎について「公衆衛生上の緊急事態」を宣言し、過去2週間以内に中国渡航歴がある外国人の入国を拒否すると発表した。

 中国発の「パンデミック(感染爆発)」という、最悪の事態に備えた対応をしている。

 これに対し、安倍晋三政権は危機意識がやや薄弱に感じる。

 世界各国は中国全土からの入国者の規制を強めているが、日本は先週末、湖北省発行の中国旅券所持者と、2週間以内に湖北省に滞在歴のある外国人の入国禁止を発表した。世界の主要航空会社は続々と「中国便停止」を発表しているが、日本の航空会社は中国便を運航している。

 日本でのインバウンド・ビジネスも大事だが、日本国内で新型肺炎が蔓延(まんえん)したら、今度は「安倍政権の危機」となる。もし、東京五輪・パラリンピック直前まで感染拡大が続いていたら、大会は中止か延期となり、安倍政権の責任も重大となるだろう。

 ■川上高司(かわかみ・たかし) 拓殖大学海外事情研究所所長。1955年、熊本県生まれ。大阪大学博士(国際公共政策)。フレッチャースクール外交政策研究所研究員、世界平和研究所研究員、防衛庁防衛研究所主任研究官、北陸大学法学部教授などを経て現職。著書・共著に『トランプ後の世界秩序』(東洋経済新報社)、『2020年生き残りの戦略-世界はこう動く!』(創成社)など。

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