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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】「新型肺炎」報道に隠れたトルコ大地震のナゾ…地震が東から西へ移動する「新シリーズ」の始まり? (2/2ページ)

 じつは断層の先には、マルマラ海という細長い海がある。トルコ最大の都市、イスタンブールが面している海だ。この海の先にはエーゲ海から地中海までつながっている。

 この海底まで断層が伸びているのかどうか、断層の性質はどのようなものかを研究するために、私たちの海底地震計をマルマラ海に展開したことがある。2001年のことだ。フランス・パリ大学とトルコ・イスタンブール工科大学との共同研究だった。私たち日本人が海底地震計を、そしてトルコとフランスの科学者は陸上に地震計を設置した。

 研究結果はマルマラ海の海底には大断層の「延長」はあるが、幸い、近年大きな地震を起こさないだろうということだった。

 ところで先月の地震は、この断層の東端だった。震源はトルコ東部のエラズー県の南方約40キロ、深さは10キロだった。この地震で70棟以上の建物が完全に崩壊し、900棟以上が被害を受けた。

 じつは2010年にこの付近で起きた地震では約50人の犠牲者が出ている。

 地震が東から西へ移動する新しいシリーズが、また始まったのだろうか。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『多発する人造地震-人間が引き起こす地震』(花伝社)。

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