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「としまえん閉園」は寂しいけれど…… 鉄道会社にとって“遊園地”とは何か (1/4ページ)

 2月3日、全国紙をはじめとして「としまえん閉園」「跡地は東京都が大規模公園として整備し、一部は『ハリー・ポッター』のテーマパークに」という報道が飛び交った。情報源は「関係者」としか明かされず、それが株式会社豊島園か、親会社の西武鉄道か、その親会社の西武ホールディングス(HD)か、はたまた東京都かワーナー・ブラザースか分からない。

 複数のメディアが報じているところから「西武と東京都とワーナーの交渉が進んでいる」は事実のようだ。ただし、ネットメディア「Jタウンネット」の問い合わせに対して西武鉄道広報部は「そもそも閉園やテーマパークができるという話も決まっていることではない」と回答している(参考記事)。NHKは、小池百合子都知事が記者団に対し「まだ交渉の段階だと思う」と述べたと報じた(参考記事)。

 交渉は事実。しかし決定事項はなく、報道とは違う形で決着する可能性もあると思われる。としまえんについては、2010年に練馬区がプロサッカーチーム「東京ヴェルディ1969」の本拠地となるサッカースタジアム建設を計画し、水面下で交渉が行われたと報じられたが実現しなかった。

 『ハリー・ポッター』のテーマパークを作るというなら、としまえんの園内に作ればいい。しかし、としまえんの用地については、東京都が1957年に「練馬城址公園」として都市計画を決定していた。都は2011年に「都市計画公園・緑地の整備方針」を公表し、あらためて「練馬城址公園」を東京都事業「重点公園・緑地」の「優先整備区域」に指定した。東日本大震災の教訓から「木造住宅密集地域に隣接した防災公園整備」が課題となっていた。

 2010年の練馬区、11年の東京都の動きについては、西武鉄道の再生支援という見方もできる。西武鉄道は04年に証券取引法違反事件で上場廃止となり、06年に持株会社制によるグループ再編が行われ、再生途上であった。

 ◆としまえんは前年度比120%の集客増だった

 報道によれば、としまえんの来園者数は1990年代に400万人を超えていた。しかし、レジャー産業の情報企業、綜合ユニコムが発表した2019年版のデータでは112万4881人だ。最盛期の4分の1程度となった。それでも、綜合ユニコムの分野別集計の遊園地カテゴリーでは全国第4位をキープしている。ちなみに1位は「鈴鹿サーキット」で、これを「モータースポーツのテーマパーク」とするなら、純粋な遊園地としては全国3位といえそうだ。

 としまえんは創業から90年を超えており、40年以上現役のアトラクションもある。修繕しつつ大切に扱ってきたと思う。しかし装置産業としては鉄道と同じで、老朽化や交換部品を調達できないなど、将来性への不安もある。少子高齢化による集客減少も鉄道と同じでジワジワと響いてくるだろう。

ITmedia ビジネスオンライン

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