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【有本香の以読制毒】なぜWHOは“役立たず”なのか? テドロス事務局長に「習近平氏の家来」との声 (2/2ページ)

 地球上における「最後の成長フロンティア」とも呼ばれるアフリカ・サハラ以南の国々の中でも、エチオピアの成長力と潜在力はずば抜けている。ただし、2000年代初頭から2ケタの経済成長を続けてきた右肩上がりの軌道は、中国が04年以降、この国への投資を加速させた曲線とぴったり重なる。14年には、ついに経済成長率10・3%と世界の首位に立つが、まさにその時の外相が、テドロス氏であった。

 こうした背景から、テドロス氏を「習近平の家来」とまで呼ぶ向きもあるが、米国のビル・クリントン元大統領や、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏らとも親交深い。絵に描いたようなグローバルエリートなのだ。その「グローバル力」で、貧しかった自国を発展に導いた人と言ってもいい。

 氏の過去の業績、自国への貢献を否定するつもりは毛頭ないが、一方、いまの世界では、先進国を中心に真逆の流れ-果てしなく進むグローバル化に抵抗する流れも加速している。

 ドナルド・トランプ米大統領のいう「アメリカ・ファースト」や、英国の「EU(欧州連合)離脱」がそれだ。

 「一部のエリートが主導する『国境なき世界』はうんざりだ。国境をしっかりと管理し、まず自国を守ってほしい」。そんな大衆の声に答えているのが、トランプ氏であり、英国のボリス・ジョンソン首相、と両者は見せている。

 お二方と気脈を通じている、わが国の安倍晋三首相が、よもや、この新たな「逆流」に乗り遅れることのなきように。よもや、わが日本国が、「中国の家来」率いる国際機関の後を追う集団とならないように。病の暗雲が国境を越えて垂れ込める今、そう願ってやまないのである。

 ■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

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