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河野防衛相、海自に「病院船」検討指示 予算も人員も問題…実現は可能か 識者「地震、災害の備えとしても不可欠」

 新型肺炎の感染を食い止めようと、河野太郎防衛相は14日の記者会見で、診察や治療の機能を持つ「病院船」の配備を海上自衛隊で議論するよう指示を出したことを明らかにした。日本には現在、病院船仕様の船舶は1隻もないが、予算も人員も時間も限られるなか、実現できるのか。

 「病院船の議論はこれまでもあった。災害時にも役に立つ。しっかりと検討したい」

 河野氏は会見でこう語った。政府内では既に横浜港に停泊するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を病院船に転用する案が浮上している。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏によると、海自でも護衛艦「いずも」などには医官も乗船し、簡易的な手術も可能な医務室はある。だが、感染患者を長期間、養生させるつくりにはなっていないうえ、護衛艦の数にも限りがあり、病院代わりに運用するのは非常に難しいのが実情だという。

 そもそも護衛艦の建造には3~4年はかかる。病院船をゼロからつくるのは容易ではなく、医官の数も予算も足りない。

 世良氏は「旧海軍は輸送艦を病院船に改築し、使っていたが、一刻を争うときには難しい。米海軍には10室を上回る手術室を備えた病院船があるが、日本では海外を含め民間から医療対応できる船舶をレンタルし、陸上から『医療支援チーム』を送り込むのが現実的だろう」と指摘する。

 そのうえで「政府専用機を航空自衛隊が運用しているように、海自が恒久的に多用途で運用できる『病院船』は必要だ。首都直下地震など大規模災害で陸路が寸断された場合、負傷者搬送の備えとしても不可欠だ」と強調した。

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