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【高橋洋一 日本の解き方】賃金上昇に期待できない理由 外国人労働者の急増で頭打ち 内需拡大阻む「増税」と「新型肺炎」 (1/2ページ)

 厚生労働省が発表した2019年の毎月勤労統計調査によると、1人当たりの現金給与総額(名目賃金)は前年比0・3%減で6年ぶりのマイナスとなった。実質賃金は0・9%減で2年ぶりのマイナスだ。

 政府、特に官邸の経済運営はマクロ経済が中心となる。ミクロ経済の各分野は担当省庁が行うからだ。

 マクロ経済では、雇用と所得の2つの観点からみるが、まずは雇用、その次に所得だ。雇用は、主として毎月公表される失業率でみるが、失業率統計は独自集計している一部の自治体を除き、全国ベースしかないので、都道府県別の数字もある有効求人倍率も参考にする。特に、政治家は地方で話す機会も多いので、有効求人倍率のほうが好まれる傾向がある。

 所得はいろいろな統計数字でみることができるが、マクロ経済の所得としては国内総生産(GDP)統計が最も適している。GDPには、「三面等価の原則」がある。これは、大学の経済学入門で初めに学ぶ重要なことであるが、生産面からみても、分配所得面からみても、支出面からみても、GDPは同じ値になるというものだ。GDPの総計は、全ての人の所得の合算になっていると言い換えてもいい。

 しかし、GDP統計は四半期ベースなので、統計数字は3カ月に1回しか出ない。その点、所得をわかりやすく示す毎月勤労統計は、毎月公表されるので、こちらを参考にすることもしばしばだ。

 雇用と所得の関係は単純である。雇用の確保ができないと、所得も上がりにくい。どこまで雇用の確保ができればいいのかというと、失業率の下限がどの程度かによる。

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