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【高橋洋一 日本の解き方】賃金上昇に期待できない理由 外国人労働者の急増で頭打ち 内需拡大阻む「増税」と「新型肺炎」 (2/2ページ)

 これは、経済学での「NAIRU(インフレを加速させない失業率)にも大いに関係する。下限となる失業率を達成するのがマクロ経済政策の最大目標であるが、これは、失業率とインフレ率の逆相関を示すフィリップス曲線を推計する作業でもある。これはマクロ政策決定において重要なので、米国ではかなりの研究もあるが、日本ではあまりなされていない。日銀ですら、構造的失業率は3%台半ばであるとし、失業率の下限がかなり高かったと主張していた。実際には、失業率が3%を下回って継続しており、この日銀の判断は間違いだったわけだ。

 筆者は下限の失業率は2%台半ばであると考えている。実際、失業率がその範囲に入りつつあった2018年には名目賃金、実質賃金ともに上がりだした。

 しかし、19年には入管法改正などで外国人労働者数が急増した。19年10月末時点で、前年比14%増の約166万人となっており、限界的に賃金に影響している。

 これを反転上昇させるには、一層の内需拡大が必要だ。しかし、20年は消費増税の影響があるほか、新型肺炎による世界経済の低迷が懸念されている。このため、賃金上昇はあまり期待できないだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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