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【日本の元気 山根一眞】無料プロジェクト「シニア・サポート犬」 犬と高齢者の新しい関係構築に (1/2ページ)

 私は黒柴の犬を飼っているが、せいぜいできる芸は、お座り、待て、お手、伏せ、取っておいで、くらいだ。それ以上のことができる能力があるのではと思うが、何をやらせればいいのかの知恵が浮かばない。

 だが、犬が大好きなゲームを楽しませることを上手に利用すれば、犬は予想以上の能力を発揮して、人の最上のパートナーになる。と、教えてくれたのが、社会福祉法人・日本聴導犬協会(長野県宮田村)代表の有馬ともさんだった。私は、聴導犬としての最後の試験にパスできなかった犬の里親となったのがきっかけで協会との交流が始まり、すでに20年以上になるが、いつからか応援団長を任じられている。

 盲導犬を知る人は多いが聴導犬を知る人は少ないのではないか。聴覚障害者は火災報知機が鳴っても気付かない。チャイムが鳴っても来客に気付かない。聴導犬はそういう方々の聴覚となってサポートする。飼い主から遺棄され殺処分される犬の数は年間1万6000頭にのぼるが、協会はその保護犬を救い、人の役に立てるよう訓練するという「動物福祉」も大きな目的に掲げている。

 協会は、訓練によって聴導犬に合格した犬を、必要とするユーザーに無償供与している。数年前からは、体が不自由な人をサポートする介助犬の訓練・供与も行うようになったが、最近、高齢者のための「シニア・サポート犬」プロジェクトを立ち上げたという。また大変なことを始めたのかと、応援団長としてはじっとしていられず、宮田村を訪ねた。

 シニア・サポート犬は65歳以上の高齢者が対象。たとえば、膝に痛みがあり床に落としたものを拾えない、耳が遠く来客に気付かない、メガネをどこかに忘れたといったシニアならではの生活上の「困った」をサポートするように訓練する。緊急時に人を呼んできてくれるサポートは救命にもつながるのではないか。

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