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【高橋洋一 日本の解き方】経済政策の失敗は命に関わる 消費増税という“人災”が大打撃…新型肺炎の影響抑える対策を (2/2ページ)

 マスコミ各紙も、今回のGDP減少について、消費増税の影響とともに、駆け込み需要の反動減を挙げ、その上で台風や暖冬の影響を強調している。今回のGDP推計は、駆け込み需要増とその反動減の影響を除去するようになっているにもかかわらず、反動減という記事を書くマスコミは、役所の言いなりではないか。

 公衆衛生学者のデヴィッド・スタックラー氏と医師のサンジェイ・バス氏の共著『経済政策で人は死ぬか? 公衆衛生学から見た不況対策』という興味深い本がある。いくつかの事例から、不況や経済危機に対する政府の政策対応いかんにより人々の健康状態、ひいては生死に影響を及ぼしているという主張だ。経済政策はどんな薬や手術、医療保険よりも命に関係するというから、経済政策の研究をする筆者として首肯したい。

 同書で取り上げたギリシャの例は悲惨だ。ギリシャ危機の際、新規HIV患者数、ホームレス人口、殺人事件などが急増したのは不況下でも緊縮財政を実施した結果である。緊縮財政が生命を奪ったともいえる。

 今の日本を考えると、消費増税という人災と新型肺炎という不可抗力が日本経済へのダブルパンチになろうとしている。

 今年1~3月期GDP速報は5月中旬に公表されるが、消費増税の影響に加えて新型肺炎による悪影響があるので、再びマイナスになるかもしれない。その時、国会開催中なので、全品目軽減税率適用と大型補正予算編成を行うべきだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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