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【富坂聰 真・人民日報】習政権の新型肺炎対応は「後出し」か「果断」か 中国の実力を見極める千載一遇の“大実験” (2/2ページ)

 いずれにせよ、こんな些末な話はよいとして、新型コロナウイルスへの対応は、中国という国の実力を見極める千載一遇のチャンスであり、同時に日本では絶対にかなわない大実験を目撃することができる、またとない機会でもあるのだ。

 今後もし日本で、今回の新型コロナウイルス以上に毒性の強い感染症が広がったとき、同じように都市を封鎖しなければならない事態に陥るかもしれない。そのとき、どんな組織がどんな働きをすればよいのか。どんな法整備が必要なのか。優先順位をどうつけてゆけばよいのか。学ぶことは少なくない。

 そして中国は現実にそれを目の前で動かしているのだ。

 閉鎖した武漢には毎日数千人規模で医師・看護師が各地から派遣されてきているが、配置に混乱はない。軍の役割も明確だ。特別手当の計算も瞬時に行われた。

 この混乱が過ぎた後、「ダメな国だ」という茶飲み話だけで終わってよいものなのだろうか。

 ■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。

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