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【大前研一 大前研一のニュース時評】コンビニ業界で異変!? セブン&アイHD「大型買収」とファミリーマート「希望退職」 (1/2ページ)

 セブン&アイ・ホールディングス(HD)が、米国の石油精製会社マラソン・ペトロリアムが運営する「スピードウェイ」の買収交渉に入った。同社は米国でガソリンスタンド併設型のコンビニエンスストアを約4000店展開している。買収提示額は約2兆4500億円。

 セブン&アイHDが展開するセブン-イレブンは、1927年に米国テキサスの氷小売り販売店「サウスランド・アイス」が創業。このノウハウを輸入して74年に東京都江東区に1号店を出した後は成長を続け、国内は2万店を超えるまでになった。

 2005年には米国のセブン-イレブンを完全子会社化。米国やカナダ、メキシコで展開する店舗数は1万店を超え、世界各地にもエリアライセンス権を付与している。世界の店舗数は昨年12月の時点で7万店を超えている。

 国内のコンビニ事業は、人口減少や人手不足などを背景に今後の市場拡大は見込めなくなり、セブン&アイHDも米国事業を成長の柱にとらえている。とはいえ、利益は国内に比べるとまだまだ及ばない(19年3~11月の国内2万店のコンビニ事業の営業利益は約2001億円。海外5万店のコンビニ事業の営業利益は約765億円)。

 そこにきて、過去最大規模の巨額買収の話が明らかになった。日本は消防法で規制されているが、米国ではコンビニの8割近くでガソリンを販売している。ただ、将来、EV(電気自動車)の普及が進んだときのことを考えると、いまさらガソリンスタンドのチェーンを買ってどうするのか、という疑問もある。

 ポスト・ガソリン時代に向けて、提示額の2兆4500億円は高すぎるのではないか。15年でリターンとした場合、4000店で年間1000億円の利益を出さなければいけないのだが、これ、どう考えても難しいだろう。

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