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「一斉休校」は本末転倒な予防策 医療システム作りにはマイナスに? 医師・村中璃子氏寄稿 (1/2ページ)

 新型コロナウイルスの感染拡大で、各地の小中高校などの一斉休校が2日から始まった。しかし、世界保健機関(WHO)で新興感染症対策に携わった医師でジャーナリストの村中璃子氏は緊急寄稿第2弾で、「部分的な学校閉鎖で十分では」と疑問視する。集団感染の予防策として本末転倒で、医療システム作りにもマイナスだと指摘する。

 2月27日、安倍晋三首相は、文部科学省が「小中高一斉休校」を要請することを決定したと発表した。いきなりの要請に、国民の間では困惑の声が広がった。

 多くの国民やメディアにとっての困惑とは、共働き世帯が子供を預ける場所がないとか、学校や自治体の準備ができていないといった「急な要請」に対するものが中心だった。

 が、問題の本質はそこではない。25日、政府は新型コロナウイルスに関する基本方針を発表したばかりだった。日本でも感染経路がわからない感染者や、小規模な「クラスター(一群)」が見つかり始めたことから、今までの水際対策から、新たなクラスターの発生を防止し、重症患者を治療・救命する医療システムに注力する方針へ切り替えるとしたのだ。

 そのために行うのが、手洗いやせきエチケットのほか、テレワークや時差出勤の推奨、不要不急の外出やコンサートやイベントなど集会の禁止だ。

 しかし、学校は集会とはまるで意味が違う。社会機能の基盤の1つだ。学校や仕事といった根本的な社会機能を維持するために、不要不急の外出やコンサートなどの集会を禁止するのに、肝心の学校をストップしてしまっては、本末転倒である。また学校閉鎖は、医学的に見ても、新クラスター予防にほとんど貢献しないばかりか、重症患者のための医療システム作りにはマイナスとなる。

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