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【富坂聰 真・人民日報】新型コロナ渦中に「財政出動」の予測 経済再始動のカギ「六隠」の意味 (1/2ページ)

 中国の新型コロナウイルスの感染拡大は、制御が効き始めたようだ。

 いまの懸念はむしろ外からの“逆輸入”である。

 なかでもWHOが感染拡大を懸念する日本、韓国、イタリア、イランからの流れで、事実、3月2日に浙江省麗水市で新たに発覚した7例の感染は、すべてイタリアから持ち込まれた。3日付『人民日報』(ウェブ版)は、〈鐘南山が心配する事態が発覚!〉とのタイトルでこれを報じた。鐘氏はSARS撲滅の英雄だ。

 中国はいま、感染が拡大する都市からの入国に対して、国籍にかかわらず14日間の経過観察を義務付けた。

 とはいえ、改善の兆しは明らかなようだ。

 3月4日には党中央政治局常務委員が開かれ、重要講話を発した習近平国家主席は、「現状、感染拡大阻止とコントロールへの取り組みにおいて、すでに初期的な改善傾向を持続できている」との表現で自信を示した。

 国務院常務会議の議題も、感染対策から生産再開へと明らかに重心を移し始めた。

 新型コロナ問題が、中国経済に深刻なダメージをもたらすことは間違いない。だがその半面、かつてのリーマン・ショック後に中国経済が急速に持ち直したような財政出動も予測されている。

 特に今年は、「2つの100年」の目標の1つである貧困撲滅を達成しなければならない重要な年にも当たり、何が何でも一定の水準まで引き上げる必要があるのだ。

 こうした政治的な要素を勘案すれば、おそらく秋ごろには「V字回復」の萌芽(ほうが)が現れ始めるはずだが、長期的にはその無理がたたり、体質改善が進まず慢性病に苦しむ、といったパターンに陥るのだろう。

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