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ゴキブリの腸内から“新種の線虫”を発見! その名も「チュウブダイガク」

 中部大(愛知県春日井市)の准教授、長谷川浩一さん(41)らの研究チームが、大学の裏山に生息するゴキブリの腸内から見つかった新種の線虫に「チュウブダイガク」と命名し、注目を集めている。長谷川さんは「話題を呼びそうな名前を付け、中部大のユニークな研究内容を世界に発信したかった」と話している。

 研究室の一角に重ねられたプラスチックケースのふたを開けると、カサカサと物陰に隠れる無数の黒い影が…。その数、約1000匹。長谷川さんは「あくまで実験材料の一つで、決してゴキブリが好きなわけではありません」と笑う。

 線虫は寄生虫の一種。体が半透明で組織が見やすく、遺伝子組み換えの研究などに使われる。寄生先の生物に害を与えるものと与えないものがおり、今回の新種は病原性を持たず、良好な共生関係を築いているという。

 研究室では、線虫が約3億5000万年前に初めてゴキブリに寄生したことをきっかけに、進化を遂げて生物全体に広まったという仮説に基づき、線虫の進化の起源や生物との共生関係を明らかにしようとしている。

 ゴキブリの線虫に着目したのは9年前。ペットとして飼うほどの大のゴキブリ好きの学生が研究室に入ったため、研究テーマに薦めると、すぐにのめり込んだという。学生が卒業した後も、熱意は後輩に受け継がれた。

 新種は、中部大の裏山の朽ち木に潜んでいたゴキブリ約20匹を捕獲、解剖して発見に至った。未解明な部分が多いが、別のゴキブリの線虫を使った実験では、寄生先の腸内環境を整え、食中毒症状などを緩和する可能性が示されたという。

 長谷川さんは「マニアックな研究だが、多くの生物に寄生する線虫の起源を解明することは、生物の根幹を知ることにつながる。人の健康にも役立てていきたい」と意気込んでいる。

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