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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】北海道・有珠山の警戒レベル改定 学問的な解明ができない「噴火予知」 (1/2ページ)

 札幌管区気象台は2月から北海道・有珠(うす)山の警戒レベルを改定した。有感地震が発生したら5段階のレベル3(入山規制)を飛ばして、レベル4(避難準備)に引き上げる運用にした。

 「レベルを順次格上げするのは非現実的で、有感地震が群発しはじめたら、すぐに避難を開始しなければ」と火山学者が主張してきたことが、ようやくいれられたのだ。

 有珠山は360年前から7回の噴火の記録がある。噴火を繰り返してきて周期が長くはなく、間隔も比較的一定だった。噴火の前に有感地震が起きてから1~3日で必ず噴火したことが知られている。

 有珠山はもっとも予知しやすい火山である。有感地震による経験的な予知がこの火山では可能だったからだ。だが、他の火山ではそうはいかない。

 現在の学問では噴火の一般的な予知はほとんど不可能だ。噴火予知は、できた例でもせいぜい1日から数日前で、いちばん最近の2000年の有珠山噴火の場合にも3~4日前だった。

 それは噴火予知にとって肝心な、地下で何が起きているのかが分かっていなくて、マグマがどう動いて、どう噴火に至るのかというそれぞれの段階での学問的な解明がまだできていないからなのである。

 有珠山以外でも、いくつかの前兆が噴火の前にあったことは少なくない。しかし、その前兆、たとえば火山性地震の増加が、ほかの火山では前兆にはならなかったり、またほかの火山では別の前兆しかなかったりした例がほとんどなのである。

 福島・磐梯(ばんだい)山の例がある。磐梯山の1888年の噴火は19世紀日本最大の噴火だった。大規模な山体崩壊が起きて形が大きく変わっただけではなく、五色沼が作られた。犠牲者は500人近かった。

 ここでは2000年に火山性地震が急増して1日400回を超えた。40年前に地震計が置かれて以来、最も多い地震だった。

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