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【富坂聰 真・人民日報】中国の“緩み”に反して“緊張”高める米国 ウイルス正体めぐる“戦争”の行方 (1/2ページ)

 新型コロナウイルスの感染爆発に苦しんだ中国に明るい兆しが広がり始めている。

 16日に開かれた新型コロナウイルス感染対策指導チーム会議では、「(武漢の)警戒レベルを下げるべき」といった文言も飛び交った。湖北省を離れていた人々や出稼ぎ労働者が戻ることができるような態勢を整えるプランや医療関係者の段階的な撤収計画も策定され始めた。

 中国に見られるようになった“緩み”に反して緊張を高めるのがアメリカだ。その逆転を反映してか両国間で子供じみた言葉の応酬も繰り広げられた。中国外交部の趙立堅氏がツイッターで新型コロナウイルスは「米軍が武漢に持ち込んだのかもしれない」と発信し、ドナルド・トランプ政権は崔天凱大使を呼んで抗議した。

 ただ、これは日本のメディアが報じたように新型コロナが米国発であることをアピールする意味よりも、こんな可能性だってあるんだぞ、という意味だ。発信の意図は主に、他国が苦しんでいるときに検査や対応にケチをつけるな、というものだ。きっかけは3月11日米下院公聴会で米疾病対策センター(CDC)のロバート・レッドフィールド局長が検査体制の不備を認め、初期のインフルエンザ患者の中に肺炎の患者がいたとの発言を受けての反応だった。

 いかに初期に肺炎患者がいて、そのアメリカから武漢に軍人が来て-世界軍人運動会参加のため-いたとしても、米国発の立証には程遠いのは言うまでもない。

 その後、習近平国家主席が共産党理論誌『求是』に発表した文章で「病原がどこからきてどこに向かったのか明らかにしなければならない」と語ったのを受けて、国家ぐるみで責任回避を始めたと指摘された。しかし、この『求是』の文章も膨大な文字数の中の一部を抜き出したもの-しかも優先順位は決して高くない-で、解釈には疑問が残る。

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