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【富坂聰 真・人民日報】中国の“緩み”に反して“緊張”高める米国 ウイルス正体めぐる“戦争”の行方 (2/2ページ)

 素直に読めば「科学を結集してこの病気の正体を徹底解明せよ」ということだ。

 習氏がそうした発言をするのには意味もある。というのも中国が原状回復への舵をきったのは、あくまで見切り発車であり、そこに確信が持てない最大の要因こそが、ウイルスの正体がいまひとつつかみ切れない点にあるからだ。

 党中央の懸念をもっと分かりやすく言えばウイルス流行の第2波、感染の再拡大へのおびえだ。

 心配な報道もある。3月18日付『長安街知事』は「まだ突き止められていない病原の存在か? 武漢から新たに警告のシグナル、感染拡大を再燃させる漏れがあったのか」というタイトルで、感染経路が不明な感染者の存在を報じている。

 今月13から17日まで、5日間に自ら外来に訪れた新たな感染者6人のケースが、どこでどのように感染したのか、もう一つはっきりしないケースなのだという。

 対ウイルス人民戦争はまだまだ悪戦苦闘が続く。

 ■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。

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