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【ケント・ギルバート ニッポンの新常識】新型コロナ「日本は大丈夫。感染拡大は欧米」の錯覚 日米ともに…冷静な議論で可能になる「本当の対策」 (1/2ページ)

 世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスに、各国では「都市の封鎖」や「商店・飲食店の閉鎖命令」などの対策を行っている。ただ、それらが実態を正確に把握して、国民が納得するかたちで行われているとは、私には到底思えない。

 米ニューヨークでは、現地時間の22日から住民に外出制限が開始され、レストランや映画館も封鎖された。ワシントンでも同様の対策が講じられ、街では閑古鳥が鳴いているという。

 米国では先週末から感染者や死者が増加しており、一見「強硬策も仕方ない」とも思える。ただ、車に乗ったまま検体をとる「ドライブスルー方式」など、次々にPCR検査をやったため感染者の数が増加したという指摘もある。

 果たして、経済活動のすべてを停止させる必要があったのか。急増する感染者にパニックとなって判断した気がする。

 検査数だけをみれば、正反対の策を講じているのが日本だ。

 検査の対象者は、感染者との接触歴や、発熱が数日間続いた人など、条件を設けている。検査数が少ないので、数字の上では欧米に比べて感染者・死者数は少数にとどまっている。だからといって「日本は安全だ」とはいえない。公表数以上に、感染している人がいると予想できるからだ。

 このままでは、具体的な対策に乗り出すことはできない。専門家でさえも「大規模イベントの開催は慎重に」などと、あいまいな発言しかできないではないか。

 日本国民の中には「新型コロナウイルスは、そろそろ収束の気配があるのでは」「日本は大丈夫。感染拡大の中心地は欧米だ」などと錯覚を起こす人も現れてしまいかねない。仙台市で、東京五輪の聖火を見ようと5万人以上が集まったのは、そういった認識の甘さもあるのではないか。

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