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飲食店でタバコを吸えなくなっても、“開き直りおじさん”が増える理由 (1/5ページ)

 たばこを愛する人たちを失意のドン底に陥れるようなニュースが続いている。

 2016年に肺炎で入院するまで1日3箱を空ける芸能界屈指のヘビースモーカーとして知られていた志村けんさんが、新型コロナウイルスによる重度の肺炎で亡くなってしまったのである。

 喫煙者や喫煙経験者が新型コロナウイルスで重症化するリスクが高い、というのは以前から指摘されていた。例えば、著名な米医学雑誌『The New England Journal of Medicine(ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン)』で発表された論文では、中国の新型コロナ患者1099人を対象に調査したところ、非喫煙者の重症率は14%なのに対して、現在喫煙中の人も含めた喫煙経験者では24%が重症になっていたという。

 また、多数の死者がでている欧州で新型コロナ患者のデータを収集しているECDC(欧州疾病予防管理センター)も、喫煙者と喫煙経験者が重症化するリスクが高い傾向があると発表。その理由は、このウイルスがヒト細胞に感染する際に利用するアンジオテンシン変換酵素II(ACE2)という酵素があるのだが、これが喫煙によって肺の中で活性化するからだという。しかも、驚くことに、このACE2は現在進行形で喫煙をしている人よりも、以前喫煙していて現在は吸っていない人のほうが活性化している可能性もあると報告しているのだ。

 親しい芸能人によれば、志村さんは肺炎になってから禁煙していたというので、この重症化を引き起こすというACE2が活性化していた可能性もゼロではないのである。

 そんなショッキングなニュースに加えて、愛煙家の方たちを暗い気持ちにしているのが、4月1日に全面施行される改正健康増進法だ。これによって学校、病院、役所などの公共施設や鉄道、船舶、さらには居酒屋などの飲食店なども屋内原則禁煙になる。つまり、「前門の虎、後門の狼」ではないが、新型コロナの重症化リスクと屋内禁煙というダブルパンチによって、たばこを愛する人たちはかなり窮地に追いやられてしまうのだ。

ITmedia ビジネスオンライン

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