【ジュリア・ミント プーチンの国より愛を込めて】貧困に転落した母の友人の希望 (2/2ページ) ジュリア・ミント プーチンの国より愛を込めて
夫に去られたマリヤは、母のライサや子供たちの説得も聞かず、ますます新興宗教にのめり込み、あげくには自宅を売って、修道院が近くにあるという理由だけで選んだ、町から遠く離れた集落の倒れそうな家に子供たちを連れて引っ越していきました。
しかし、集落があまりにも学区から遠いために子供たちが学校に通っていないと知ったライサは、娘を説得した上で孫たちを引き取り、自分の家で世話し学校に通わせました。
そして現在、娘家族のために貯金をすべて使い果たしてしまったライサは仕事のエネルギーも失い、孫たちとともに少ない年金で暮らしています。
その生活は楽ではないのですが、彼女にはひとつの希望があります。
それは孫の一人でピアノの才能があり、町では神童と呼ばれている長男ルカの存在です。
元々将来は音楽大学に行く予定だった彼は、母の問題に巻き込まれたために大学入学を断念し、今は町の音楽教室で子供たちを教えながら祖母の家計を助けていますが、奨学金制度が受けられるような優秀な成績を修めて音楽大学に合格できるよう、日夜頑張っているそうです。
ようやくウラルにも暖かい春がやってくるようです。
■ジュリア・ミント 1994年ロシア連邦バシコルトスタン共和国生まれ。エカテリンブルクの医科大を経て、現在は大学院で眼科学を専攻する傍ら、日本人コンポーザーTAMAKIと共にノーザンスタイル・ダンスミュージック・ユニット“Crystal Mint”を結成。シンガーとして、主にヨーロッパで活動中。特技は英語、腕立て伏せ。(crystalmint.info)
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