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【長谷川幸洋「ニュースの核心」】東京は“感染爆発”初期段階のよう…安倍政権は手遅れになる前に「緊急事態宣言」を (1/2ページ)

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。とりわけ、東京では、新たな感染者が増える一方だ。だが、安倍晋三政権は「緊急事態宣言」の発令を先延ばししている。これでは手遅れにならないか。

 私権制限を伴う、初めての強硬手段行使に政権が慎重になるのは理解できる。とはいえ、緊急事態宣言の法的根拠になる新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正を急いだのは、なぜだったか。超特急で改正しなければ、緊急事態に間に合わない懸念があったからだろう。

 もしも感染爆発(オーバーシュート)が起きれば、感染者を収容する病院のベッドが圧倒的に不足する。そうなったら、学校や民間の土地、施設などを強制的に収用し、「臨時病院」を作る必要がある。それを可能にするには、首相が緊急事態を宣言しなければならない。それが改正法の枠組みである。

 実際、東京都と同じような広さと人口規模のニューヨークでは、1カ月足らずの間に感染者が激増し、ベッドも人工呼吸器も足らなくなった。東京が次のニューヨークになる懸念は十分にある。

 そんな状況を受けて、日本医師会の幹部や経済同友会の代表幹事は「宣言を発令すべきだ」と語った。だが、肝心の政府は「感染はギリギリの状態」と認めながら、宣言の発令を先送りしている。

 首相が発令するには、政府対策本部が「新型インフルエンザ等対策有識者会議・基本的対処方針等諮問委員会の意見を聴取する」手続きが必要とされている。だが、緊急時であれば、委員会を持ち回りで開き、意見聴取を終えるのも可能だろう。

 感染爆発が起きてしまってから、後追いで宣言しても意味がない。米国や欧州の経験に基づけば、東京都の現状は爆発の初期段階のように見える。これでは、ベッドの増設や臨時病院の開設が間に合わなくなる恐れがある。

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