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【長谷川幸洋「ニュースの核心」】東京は“感染爆発”初期段階のよう…安倍政権は手遅れになる前に「緊急事態宣言」を (2/2ページ)

 私は、発令を遅らせてきたのは、「3月中に緊急事態を宣言すると、株価が暴落し、3月期末に決算期を迎える多くの企業が苦しくなるからではないか」とみていた。だが、4月に入っても発令しないとなると意味不明だ。

 首相が緊急事態を宣言すると、何が起きるのか。実は、大したことはできない。先に述べたように、土地や施設、物品の強制収容が可能になるが、それ以外は国民への外出自粛やイベントの中止要請、指示くらいである。それは事実上、東京を含めて多くの自治体で実施済みだ。

 欧米のように「不要不急の外出をしたらウン十万円の罰金」のような過激な手段はとれない。まして、中国のように道路封鎖など物理的な都市封鎖(ロックダウン)は非現実的だ。赤羽一嘉国交相は「鉄道やバスなど公共交通機関の機能は確保する」と語っている。

 野党は私権制限につながる措置に慎重だったが、事態の深刻化を受けて「補償とセットで」と容認に転じている。となれば、あとは安倍晋三政権の判断だ。手遅れになる前に、毅然(きぜん)として緊急事態宣言の発令を決断すべきである。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。

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