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【高橋洋一 日本の解き方】原油急落は日本に有利だが…振り回されることは問題 国家安全保障の観点が重要 (1/2ページ)

 原油価格の急落が続き、米国のシェール関連企業が破綻する事態に至っている。原油価格の下落で損失が大きい国、逆に有利な国はどこか。そして日本にとってどのようなメリットとデメリットがあるだろうか。

 原油価格の推移をみると、2月20日ごろまでは、1バレル=50ドル以上で推移していたが、その後急落した。サウジアラビアとロシアの間で原油減産調整が決裂したからだ。その結果、3月末には原油価格は20ドル程度になっていた。さすがに、トランプ米大統領はこれを見かねて、サウジアラビアとロシアの減産調整が合意するとの見通しを述べた。これにより、22ドル近辺だった原油価格は一時、26ドル台にまで反発したが、2日時点で24ドル程度となった。

 世界的なコロナ騒動になっているので、生産活動は低下する。結果的に原油需要は低下するので、原油価格も下がる見通しだった。そこで、サウジアラビアとロシアは生産調整する手はずだった。それが、交渉決裂し、サウジアラビアは生産調整しない方針を示したことから、2月末から3月末までの原油価格は低下したというわけだ。

 原油価格が下落する局面では、産油国が不利になる。主要国の中では、エネルギー自給率が180%程度と100%を大きく超えるロシアとカナダが不利だ。

 米国はこれまでは原油価格の低下は歓迎の立場であったが、最近は自国のシェール企業のエネルギー輸出が輸入を上回るようになっている。例えば、原油価格の低下はガソリン価格の低下をもたらし、自動車が生活必需品の米国は原油価格低下を歓迎していた。特に、大統領選挙では、ガソリン価格の動向は選挙結果も左右するといわれてきた。

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