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世界一規律正しい日本人が、「外出自粛」の呼びかけを無視するワケ (1/5ページ)

 「外出自粛に従わないで出歩く若者がウイルスを撒(ま)き散らしていると叩かれているのに、このジジババたちはいいのかよ」--。

 いよいよ国が「緊急事態宣言」を発出する中で、SNSで拡散されたある写真に、若者たちが怒りの声をあげている。その写真とは4月4日、「おばあちゃんの原宿」として知られる「巣鴨地蔵通り商店街」で撮影されたもの。毎月4のつく日に開催されている恒例の縁日に、多くの高齢者が訪れて、楽しそうに商店街を歩いているのだ。

 現在、国、自治体、そして医療関係者が「医療現場が悲鳴を上げているからこれ以上、感染を広げないように外出を自粛して」と喉を枯らして訴えている。しかし、これに従わない「バカ者」もいる。政府や東京都の説明ではこれは、主に学校が休校になったことで、渋谷に遊びに行くような十代や、繁華街で飲みに行っている若い世代だという。

 ただ、この写真を見れば、必ずしもそうではないことがよく分かる。事実、クロス・マーケティングが3月27~29日にかけて、全国の20~69歳の男女計2500人にWeb上でアンケートを取ったところ、商業施設への買い物、外食、旅行、トレーニングという主に外出が伴う活動11項目で全てトップなのは60代で、20代のほうが圧倒的に外出自粛していることが分かっている。

 要するに、「ウィルスを撒き散らしているのは若者」という話は、政治家の「票田」である高齢者へ配慮するためのスケープゴートであり、「老いも若きも外出自粛に従っていない」というほうが実態に近い可能性があるのだ。

■「不要不急の外出はやめて」という訴えも

 では、なぜ我々日本人は、死者が多数でている国の人々たちや、医療関係者が「今回ばかりはマジでヤバイから不要不急の外出はやめて」という必死の訴えに素直に従うことができないのだろうか。

 ご存じのように、我々は東日本大震災など被災地での秩序ある行動などで、よその国の人々から「世界一規律が正しい」なんてヨイショされることが多い。そのため、海外の人たちは当然、今回もその国民性がいかんなく発揮されていると思っている。例えば、J1柏レイソルを率いるブラジル人のネルシーニョ監督は先月、母校のメディア『グローボエスポルチ』にこのように述べている。

 「ここ日本は、とても規律正しい人たちばかりだ。彼らは、大規模イベントを3月中旬までに中止するよう求める政府の要請に応じている」(Football ZONE web/3月15日)

 そんな規律正しい人々なら、「不要不急の外出は控えて」という要請にも素直に応じるはずなのだが、現実はそうなっていない。こうしている今も繁華街は若者だけではなく、高齢者も普通に歩いている。

ITmedia ビジネスオンライン

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