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【独話回覧】2カ月ぶり武漢封鎖解除で…習政権、対外膨張を再び加速 日本は「脱中国」と「巨額財政出動」で対抗を (1/3ページ)

 中国の習近平政権は8日、前日の安倍晋三政権による緊急事態宣言を見定めたかのように、新型コロナウイルス感染のパンデミック(世界的流行)発祥地、湖北省武漢市の都市封鎖を2カ月半ぶりに解除した。湖北省の他の地域は3月25日に封鎖解除済みだ。情報の隠蔽が常習の全体主義国家の発表を真に受けるわけにはいかないが、同市をはじめ、中国全土の工場生産が徐々に正常化し始めていることは進出日系企業の動向から見てもあきらかだ。

 習政権は2008年9月のリーマン・ショック後がそうだったように、「コロナ恐慌」からいち早く脱出したと喧伝(けんでん)しようとしている。成長市場を看板に世界の余剰マネーを惹(ひ)きつけることで、米中貿易戦争に伴う外貨難を克服し、拡大中華経済圏構想「一帯一路」に代表される対外膨張を再び加速させることができる。

 リーマン後には、中国の共産党中央は指令を発し、国有商業銀行にそれまでの2~3倍もの規模で国有企業に融資させ、政府はインフラ投資を加速させた。大幅に生産が縮小する日本や米欧を尻目に、中国は2桁台の高度経済成長軌道に復帰し、2010年には国内総生産(GDP)規模で日本を抜き、米国に次ぐ経済超大国となった。

 カネの面では特にコロナ・ショックは、リーマン・ショックと同様、中国に有利に働きかねない。米連邦準備制度理事会(FRB)による量的金融緩和がそうだ。

 グラフはリーマン後のドル資金とドル換算した中国人民銀行の人民元資金の発行増加額の推移である。一目瞭然、人民銀行はドル資金の増量に合わせてカネを増発してきた。15年時点では増発規模がほぼ一致している。人民銀行がFRB政策をまるごとコピーできたわけは、米国のオバマ前政権が中国からの輸入増を許容し、対中貿易赤字を通じて、中国にドル資金を流出させたことにある。

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