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【高橋洋一 日本の解き方】全く信用できない!?中国のGDPをどう読むか コロナ・ショック契機に実態示す数字に近づいた? (1/2ページ)

 中国の今年1~3月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除く実質で前年同期比6・8%減になったと発表された。

 四半期ベースの統計をさかのぼれる1992年以降、マイナス成長が初めてだと報じられているが、筆者は、中国のGDPを全く信用していない。

 筆者には『中国GDPの大嘘』(講談社)という著書もある。同書で中国の国家統計局は旧ソ連の統計組織を模して作られたことを指摘している。そして、その統計は70年間もごまかされ、旧ソ連の崩壊でやっと明るみに出たことを明らかにしている。この本はかなりの衝撃だったらしく、筆者の大学に抗議があったくらいだ。学問的な批判があるのなら、新たな本を出すなど言論で対抗すればいいものを、大学側へ抗議するとは驚きだった。

 中国のGDP統計の疑惑は、筆者以外の多くの人が指摘している。有名なところでは、現首相の李克強氏がGDP統計を信じず電力、鉄道貨物、融資の3統計がまともと考えていると発言していたという米国務省のメモがウィキリークスによって暴露された。そこでこの3指数から中国経済を推計する手法がある。李首相は、今回のコロナ騒動でも統計でウソをつくなとの姿勢で、習近平国家主席に政治的に対応する動きを見せているのは興味深い。

 筆者の推計法は、輸入の伸び率からGDPの伸び率を推し量るというものだ。GDPの動きは所得の動きになり、国内品を購入すれば消費になるし、海外品を購入すれば輸入になる。一方、中国の輸入は世界の中国以外の国の中国向け輸出の合計に等しいはずだ。貿易統計は、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟しているので確かに存在している。そして、中国以外の国の中国向け輸出の合計は、中国の輸入額とさほど変わらないので、中国の輸入統計はとりあえず正しいとみていいだろう。

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