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香港、大規模な人事刷新 親中派重用で対民主派工作第3弾 (1/2ページ)

 【香港=藤本欣也】中国政府は22日、香港政府の新たな局長に5人を任命する人事を発表した。昨年から続くデモで指導力を失った林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官の“内閣”を改造し、9月の立法会(議会)選を前に体制の立て直しを図るのが狙いだ。民主派の一斉逮捕、基本法(ミニ憲法)の解釈変更に続く、習近平政権による対香港工作の第3弾となる。

 香港政府の局長ポストは事実上、内閣を構成する閣僚に相当する。行政長官が指名し、任命するのは中国政府だ。今回は、13人の局長のうち5つのポストが交代するという「香港返還後最大規模」(香港メディア)の改造人事となった。

 注目されているのが、親中派政党の民建連から幹部ら2人が“入閣”したこと。さらに、立法会選を取り仕切る政制・内地事務局長に任命された曽国衛氏だ。曽氏は中国移民などを扱う入境事務所の勤務が長く、「北京が最も信頼を寄せる高官」(香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト)とされる。

 民主派陣営では、これまでも民主派メンバーの立候補資格や議員資格が取り消されてきた経緯があるだけに、警戒を強めている。

 親中派の重鎮で、中国政府が主管する「全国香港マカオ研究会」副会長を務める劉兆佳氏は今回の人事について、「立法会選や、デモが再開されたときの政治的な混乱に備えた動きだ」とコメントしている。

 習政権は最近、米欧が新型コロナウイルスとの戦いに忙殺される中、香港政府とともに民主派への締め付けを本格化させている。