記事詳細

【大前研一 大前研一のニュース時評】緑茶のカテキンにBCGワクチン…信憑性低く、“お粗末”な新型コロナ対策 (1/3ページ)

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、「緑茶のカテキンに免疫力向上の効用がある」とか、「結核予防のためのBCGワクチンを接種している国の死亡率は低い」など、いろいろな情報が飛び交っている。

 私は1日に500もの記事や論文を読んでいるが、科学的検証がされていない情報は「仮説の段階」と心にとどめておくようにしている。

 日本や韓国などのアジア地域やロシアはBCGを接種している。一方、フランスやドイツ、スペインなどは過去に接種していたものの現在はしていない。米国、イタリアはこれまで接種はしていないという。

 新型コロナで亡くなった人は米国やイタリア、スペイン、フランスで多い。それで「BCGは効く」となったわけだが、死亡率の低いドイツとフランスの違いなど不明な点も多い。イギリスでは500人を対象に半数ずつに分けて接種した人としない人で差が出るのかの検証作業がすでに始まっている。

 BCGの接種を望む人が増えると、乳児用のワクチンが足りなくなる恐れもある。高齢者など免疫力が低い人が接種した場合、副作用を引き起こすこともある。

 厚生労働省のクラスター(感染集団)対策班の専門家が、「外出自粛などの対策を全く取らなかった場合、重篤な患者が国内で85万人になり、このうち約半数の40万人程度が死亡する恐れがある」と言っている。これは最悪の事態を想定したものだ。

関連ニュース