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【高橋洋一 日本の解き方】日本経済復活へ一縷の希望 「激動の10年」で高まる政策理解…危機の時こそ人々の本質が出る (1/2ページ)

 本コラムの連載開始から今回で2500回となった。ひとえに読者や関係者のおかげだ。

 民主党の鳩山由紀夫政権下で、リーマン・ショックの傷も残っていた2010年1月にスタートし、東日本大震災を経て、第2次安倍晋三政権誕生や量的金融緩和の実施、2度にわたる消費増税など経済状況や政策は大きく変わってきた。そして約10年が経過して、コロナ・ショックという大きな試練を迎えている。

 ある現役閣僚は、本コラムで書かれた政府批判を大いに気にしていると公言していた。筆者は政策を批判する際、海外の例との比較を用いる。そうすれば、日本での実現性を考える際に有用だからだ。

 海外で実施されているのに日本で実施されていない場合、そこには政治的な抵抗や官僚の抵抗があることが多い。逆に海外で一度も実施されていない政策は、日本でも実施するのは難しい。どんなにアイデアが優れていても、前例がある方が格段に実行が容易なのだ。

 12年前のリーマン・ショックの際、国際標準は、積極財政政策と金融緩和政策の同時発動だった。実際にほとんどの先進国で行われたが、日本では財政支出の規模が足りず、金融緩和も行われなかった。その結果、リーマン・ショックの震源地からほど遠いにもかかわらず、日本経済への打撃が大きかった。

 特に白川方明(まさあき)総裁当時の日銀で金融緩和が行われなかったため、円は他通貨に対し希少性が出て猛烈な円高となり、日本経済を痛め付けたことは多くの人の記憶に残った。

 東日本大震災の際の処方箋も、同様に財政政策と金融政策の同時発動だった。しかし、これも十分に行われなかったどころか、復興増税という古今東西にない愚策が行われた。

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