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【長谷川幸洋「ニュースの核心」】北朝鮮は早くも“もしもの事態”に備えている!? 「健康不安説」金正恩氏が倒れたら起こること (1/2ページ)

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に、健康不安説が流れている。私は状況証拠から見て、正恩氏に「異変が起きているのは、間違いない」とみる。

 北朝鮮の金王朝体制は、新型コロナウイルスに加えて、「権力基盤の弱体化」という最大のピンチに立たされている形だ。日本は、韓国を含めた「朝鮮半島全体の激変」に備える必要がある。

 健康不安説は、米CNNが4月21日(日本時間)に「正恩氏が重篤状態」と報じて、世界に広がった。ドナルド・トランプ米大統領は当初、報道を否定したが、その後、「彼の状態は把握している。あなたたちも遠からず、分かるだろう」と発言を変えた。

 ロイター通信は同月25日、中国が正恩氏について助言するため「医師団を北朝鮮に派遣した」と報じた。直前には、韓国紙も別の情報源を基に、同じ情報を伝えている。健康不安説は、国をまたいで、複数の情報源とメディアが報じているのだ。

 限られた特定のメディアに「ガセネタ」を流すのは簡単だが、発信源を変えて複数のメディアに流すのは難しい。つまり、健康不安説は「報道以前に米韓の関係筋の間で広まっていた」のである。これは、有力な状況証拠だろう。

 北朝鮮は早くから、「もしもの事態」に備えていた。

 正恩氏の妹、金与正(キム・ヨジョン)氏は、2018年の平昌(ピョンチャン)冬季五輪で北朝鮮代表団の一員として初めて訪韓した後、2度の米朝首脳会談で正恩氏に同行した。2度目のベトナム会談が失敗し、政治局員候補から解任されたが、今年4月に復帰を果たしている。

 与正氏の言動が今後、以前にも増して頻繁に北朝鮮メディアに登場するようなら、正恩氏はますます危うい状態にある、とみるべきだ。

 日本は「正恩氏健康説」ではなく「健康不安説」を前提にして、北朝鮮を観察すべきである。後で慌てるよりも、いまから備えた方がいいに決まっている。

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