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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】クジラの座礁が急増…原因は太陽黒点?人間? 動物の磁場の感知能力を停止、混乱させる「磁気嵐」 (2/2ページ)

 じつは、その他に人間もクジラに悪さをしている。クジラにとっての脅威は漁網や船舶との衝突がある。だが、それよりも大きな脅威がソナーだ。

 私たちが海底地震計で観測しているときに世界各地で不思議な音を記録した。多くはクジラやイルカが仲間と交信するために出す声だったが、そのほかにソナーもあった。

 50年代に開発された中周波ソナーは、潜水艦を探知するためのものだ。米国やNATO加盟国、それに東側の海軍が使用している。このソナーは60年ごろから一段と改良された。

 以後、アカボウクジラが大量に打ち上げられる現象が発生するようになった。アカボウクジラの大量座礁は1960~2004年の間に121件確認され、うち少なくとも40件では、海上での軍の活動時間と場所がアカボウクジラの大量座礁と密接に関連していたことが明らかになっている。

 アカボウクジラは、そもそも雑音に敏感なクジラだ。地中海のように船が多くて騒々しい海域では昔から座礁が記録されている。ソナーはそれに輪をかけた。

 さて、クジラの座礁は太陽のせいか、はたまた人間のせいなのか。科学者はまだ理解できていない。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『多発する人造地震-人間が引き起こす地震』(花伝社)。

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