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【日本の元気 山根一眞】中国545本、米国411本、日本31本… 日本発「新型コロナ論文数」の惨状 (1/2ページ)

 長期間にわたり毎日、「コロナ、コロナ」の報道に接してきたため、もう「コロナ話はうんざり」という人も多いだろう。だが、そもそも「新型コロナウイルス感染症」とは何だったのかをしっかりと明らかにしておかないと、再び同様の感染爆発で苦労することになりかねない。今回のパンデミックでわかったことは、毎年多くの人が感染し、重症化することがなかった鼻かぜの原因であるコロナウイルスの一種が、突然変異により大量殺人ウイルスになるという事実だった。

 一方、ヒトの遺伝子の中にはウイルスの遺伝子が組み込まれている。その遺伝子は、ヒトの進化などを促進する役割を担ってきた。たとえば、2010年、大阪大学微生物病研究所の朝長啓造さんらが発表した、「ヒトのゲノムにRNAウイルス遺伝子を発見・4000万年前までに感染か」という研究成果はその一例だ。ヒトの今日までの進化、繁栄は、ウイルスのおかげでもある。

 しかし今回、ある種のウイルスが容易に大量殺人ウイルスに変異することを私たちは実感した。同じことが数年に1度ずつ繰り返されれば、文明は衰退し人類は滅亡へと向かうだろう。だからこそ、ウイルスとは何か、病原ウイルスはもともとはどこにいて、なぜヒトを宿主に選ぶのか、なぜ殺人ウイルスに変異し感染爆発を起こすのか、といった謎の解明の「基礎研究」がきわめて大事だ。では、その研究はどのように行われているのか。

 緊急事態宣言の解除の10日前、がく然とするデータを科学技術・学術政策研究所が発表した。『COVID-19/SARS-CoV-2に関する研究の概況』だ。世界保健機関(WHO)が公開している新型コロナウイルスに関する各国の論文リストから国別論文数ランキングを出したのだが、中国(545本)と米国(411本)が圧倒的で、日本の論文数はわずか31本にすぎなかった。

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