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【大前研一 大前研一のニュース時評】まだまだ不明点だらけの新型コロナ 「夏にウイルス弱くなる」と証拠なく解説する“専門家”も (1/2ページ)

 人口統計などを提供するサイト「ワールドメーターズ」によると、5月16日現在、人口100万人当たりの新型コロナウイルスの死者数は、多い順にベルギー(773人)、スペイン(587人)、イタリア(523人)、英国(501人)、フランス(422人)…となっていた。それに対して、日本は6人、韓国は5人だった。

 このように、日本や東アジアで死亡者が少ない理由を調査するため、慶応義塾大学、大阪大学、京都大学、東京医科歯科大学、東京大学医科学研究所、国際医療研究センターなどの研究者が「コロナ制圧タスクフォース」を立ち上げ、共同研究を行う。

 全国約40カ所の病院から協力を得て、新型コロナの感染で亡くなった人、重症者、軽症者、無症状者合わせて約600人の血液を分析し、遺伝情報などについて調べる。重症化しにくい遺伝子などが解明できた場合、北里大学や東京工業大学の独自技術で、治療やワクチン開発につなげたいという。9月をメドに研究結果をまとめる予定。

 欧米とアジアの違いについては、BCG接種説をはじめ、山中伸弥教授のファクターXに至るまでいろいろな説が飛び交っているが、納得できるものは、まだない。また、数字だけをみて、日本政府の施策はうまくいったというわけにもいかない。

 いずれにしろ、4月中旬に欧州からのデータを基に「人と人との接触を減らすなどの対策をまったくしない場合、累計で約41万8000人が亡くなる」なんて試算を公表した厚生労働省クラスター対策班の大学教授や、「危ないです。でも夏になるとこのウイルスは弱くなります」なんて証拠もなく解説する輩が、いまだに専門家としてのさばっているのが日本の現状だ。症例を集める仕組みも脆弱で、全体像をつかめないでいる。

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